洋野ヒストリア デジタルアーカイブ|Hirono Digital Archives

このサイトについて

事業の背景と目標

岩手県の太平洋側最北端に位置する洋野町は、久慈広域圏に属し東は太平洋に面しており、西は九戸郡軽米町に、南は久慈市、北は青森県三戸郡階上町に接しています。平成18年に種市町と大野村の合併で誕生した洋野町ですが、江戸時代は寛文4年(1664年)の八戸藩創設に伴い八戸藩領でした。以後、明治から昭和・平成にかけ、域内8つの村が合併した背景を持ちます。行政区の変遷は多々ありましたが、それゆえに一層各地域の人々の交流が、様々な伝統や文化を育んできた背景ともいえるでしょう。

本地域では、縄文時代の各遺跡から数多くの土器・石器片等が発見されています。なかでも、東日本大震災からの復興事業のために平成26年度から令和元年度において行われた遺跡発掘調査事業では、21件の遺跡が出土したほか、西平内Ⅰ遺跡では、太平洋側では初となる環状列石が出土し古代の人々の生活の様子が伺われます。中世には糠部郡に属し、馬産地としても知られていました。

洋野町では、数多くの受け継がれてきた文化遺産の記録を次代に継承するとともに、ともすれば忘れ去られがちな郷土の文化資源について、教育の場を始め様々な地域活動や生活の中で都度利活用できる基盤を整えることを思料し、平成28年度において文化庁補助金のご支援をいただき『洋野文化遺産活用地域活性化実行委員会』を組織して、このデジタルアーカイブを整備しました。

実行委員会による事業は平成30年度をもって終了となり、洋野ヒストリアは、その後も稼働を継続しておりましたが、サイト管理が行き届かなくなるとともに、経年によるサーバー機器の老朽化が進むなど、存続が危ぶまれる状況となっておりました。

洋野ヒストリアは、多くの方々からアクセスいただき、広く活用されているコンテンツであり令和5年度に必要な改修を行い、新たな情報を随時加えていく取り組みを進めるほか、伝承や昔ばなしなどを加えることといたしました。

歴史とは、領主や偉人によるものだけでなく、この土地で暮らしを築き、受け継いできた名もなき先人たちの知恵によるところが大きいと考えます。

このサイトの閲覧を通じて、洋野町の成り立ちや、気候、風土、また、これに立ち向かい、寄り添いながら築いてきた人々の生活と歴史に触れることにより理解を深めていただくこと。更には、未来に向かって歩みを進める一助となれば幸いです。

洋野町教育委員会